0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここがいいな」
「本当にやるのかよ」
「当たり前でしょ?見捨てる気?」
「だって……」
「部屋のカーテンは開けておくから、10時ぐらいには待機しといて」
「本当……なのか?」
「こんなことで嘘つくと思う?」
「確かにそうだけど、だって……実の父親と……」
「それを止めさせるために、頼んでるんでしょ?証拠を押さえて、弱みを握らないと」
「『ばらされたらお前も困るから、写真なんて意味がない』って言われたら?」
「前にも言ったでしょ?その時はケーサツか児童相談所に持ち込むって脅す」
「もしそうなったら、お前、どうやって生きていくつもりだよ」
「学校辞めてバイトでも何でもするよ」
「そんなのって……」
「現実的じゃないって、言いたいわけ?私が何も考えずに、勢いだけであんたに打ち明けて、こんなこと頼んだって、思ってる?」
「………………」
「あんた、ドーテーかもしれないけど、ネットとかでそんなんたくさん見てるでしょ?ビビんなよ」
「…………見たくない」
「は?」
「お前がそんなことしてるの、カメラ越しにでも見たくねえんだよ」
「あんたのそのしょうもない感情と、私が今抱えてる状況の重さと、比べてみろよ」
「……………」
「これ、渡しておくから」
「………うん」
「じゃ、頼んだよ。撮った写真、ネットに流したりしたら、殺すから」
「んなことしねえよ…………」
「信じてるから」
「…………あの…………。行っちまったか。クソ……どうする俺……。言われた通り写真を撮って、あいつに渡すか。それとも、写真をネタに俺と付き合ってくれとか……いや、それは流石に……」
「ふぉふぉふぉ」
「うわっ!何だお前?サンタ!?いや、そんな訳……」
「欲しいものを言ってごらん?」
「欲しいもの?いや、俺もうそんな歳じゃ……」
「ないのかい?何かあるだろ?例えばそう、おじさんの娘の心とか」
「娘…………まさか、お前!ぐっ…………」
「…………さて、どうするか。とりあえず、来てもらおうか」
「は、放せ、放せよクソッ…………」
「まだ意識があったか。もう一度殴ってやろう」
「あぐっ………………」
「ふ、所詮まだ子供か。かわいいものだ。さぁて、今夜は楽しいクリスマスになりそうだ…………」
最初のコメントを投稿しよう!