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B「…何撮ってるんだよ。」
寒空の下、俺たちは近所の公園にいた。
A「”写真を撮っているユースケ”の写真。」
B「…そんなの、見ればわかるだろ。ふざけてると、コンクールに出す作品が撮れなくなるぞ。」
A「いーじゃない!”思い出”用に!」
そう言って小雪は、少しふくれっ面をした後、けらけらと笑って見せた。
B「良い写真は撮れたか?」
A「まあね…ねえ、また来年、ここで一緒に写真撮ってくれる?」
B「はいはい。」
A「絶対!約束だからね?」
B「わあーってるって!」
俺は、照れくささを隠すように、わざとぶっきらぼうに言った。
その時の俺は、まだ何も分かっていなかったのだ。
彼女がその公園を再び訪れることは、なかった。
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