【 三、台詞 】

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 踊るのに一生懸命な園児たちは、表情とセリフが合っていなくて逆に面白かった。  愉快な場面なのに真顔だったり。初々しい。微笑ましい。  それにしても、これは笑っちゃうでしょ。  そもそも俺はすぐに笑ってしまう人で、「にらめっこしましょ、笑うと負けよ」と言ってる最中にもうニヤニヤしてしまうレベルなのだ。  一度ツボにハマるとしばらく抜け出せない。  この素晴らしいピーターパンの演劇で笑いそうになってるのは、見ている人たちの中できっと俺だけ。  年長さんの最後のお遊戯会に、笑うどころか皆感動している。当たり前だ。吹き出したら絶対ダメな状況。 「絶対に笑ってはいけないお遊戯会」  年末恒例の番組タイトルみたいなのが頭に浮かんで、吹き出しそうになり、グッと歯を食いしばった。  甥のフックっぷりを俺はスマホで撮影していたのだが、その横では妹とその旦那が三脚立てて本気のビデオカメラで撮影していたのが印象的。  やっぱ親ともなると全力で装備整えるんだなと思った。  そして、お遊戯会も無事に終わり。カッコイイ海賊姿が見られたしダンスも抜群だったし、何だかんだで良かったと思う。  その後、お遊戯会に使えるこういうCDがあるのだと、妹が教えてくれた。  それを最初に教えてほしかったよ。  全部口パクが気になっちゃって劇に集中できないし、内容が全く頭に入ってこなかった。  結局ピーターパンってどういう物語だったのだろうか。  フックがやたらワニを怖がっていることはわかったので、ワニ怖い物語なんだなと納得しました。  納得すんな!
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