好きだから

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「で?風詩とは?」 「付き合ってますよ」 あたしは嘘をつく。 自分が傷つかないために。 「……そうか。じゃあ、アイツをクビに……」 「ちょ!復讐はしないって!」 慌てて惇生さんの腕を掴む。 「はは。嘘だよ、もうそんなことしないよ」 「もう……」 「でも、楓のことは譲れないから」 そう口にすると、鼻歌を歌いながらデスクの方へとまた戻っていく。 「言い逃げ!?」 「違うよ、楓を俺のものにするために」 惇生さんが机の下からニヤったして取り出したもの。 「それ、どうするんですか!?」 「俺のものにするだけ」 白いロープを持ってまたあたしに近づいてくる。 「あ、惇生さん!」 以前に戻ったように愛情表現をしだす、惇生さん。 「ん?俺のものにしたらすぐに離すよ」 後ろからあたしの体にロープを巻く。 後ろから感じシトラスの臭いにまたきゅうっと胸がなる。
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