狂愛社長の甘いワナ

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「白金さーん、白金楓さーん」 「ほら、呼ばれたぞ」 慣れない呼び名に気づかないでいると、隣から雑誌で頭を叩かれる。 「もう、叩かなくてもっ」 「いい加減慣れろよ」 「まだ1週間だもん!」 あれから2年。 先週、あたしと惇生さんは結婚式を挙げた。 「ふっ。はいはい、ほら看護師さん待ってるから」 あたしの手を掴んで、椅子から立たせる。 「元気に育ってるかなー」 「だいぶ目立ってきたもんな」 あたしのお腹に触れる。 「こんにちはー」 入口で待っている看護師さんに挨拶をして、診察室へと入る。 「こんにちは、じゃあそこに寝てもらえるかな」 毎月会っている白髪混じりの医師がにっこり笑う。 「はーい」 言われた通り、ベッドに横たわる。 結婚準備を続けていた四ヶ月前に妊娠がわかった。 今は妊娠五ヶ月。 「うん、順調だね」 エコーを見ながら医師はまたにっこり笑う。 「元気そうに動いてる!ね!惇生さん」 「あぁ」 妊娠を告げた時の惇生さんは、それはもう嬉しそうで。 今でも毎回産婦人科に一緒に来てくれる。 産まれたらもう絶対にイクメンまっしぐらだ。
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