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「お父さんになるんだってね」
リビングでお茶をテーブルに並べながらお母さんが口を開く。
「あぁ……ちゃんとその前にスッキリしたくて今日は来た」
「そう……お腹、触ってもいい?」
「あ、はい」
あたしの言葉に、赤ちゃんが宿っているお腹に手を当てる。
「あたしの孫になるのよね……」
「孫って思ってくれるんですか?」
惇生さんが静かに口を開く。
「当たり前じゃない。あたしにとっては惇生も風詩も大事な子供には変わりないわ」
「……それならよかった」
「あたし産まれたら遊びに来ますから!」
惇生さんとお母さんがいつかこうして話せる日が来るといいなとずっと思ってた。
「アンタもう復讐とか考えてないのかよ」
ずっと黙っていた風詩が口を開く。
「風詩、アンタなんて言わないで」
お母さんが風詩の腕を掴む。
「やだ。会社以外では社長なんて思いたくない」
「いいよ、それで。風詩、俺はちゃんと楓を愛してるから」
「それならいいんだ……幸せにしろよ」
風詩がそのまま立ち上がってベランダに出る。
ありがとう。風詩。
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