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ゴクリと唾を飲み込んだ翼の唇に人差し指を軽く当てると目黒はニヤッと微笑む。 「『チーム長が、好きで好きでたまらないんです』って、この口から」 また、目黒は、お得意の言葉を貯めてから言う戦法をとろうとしているようで、言葉を一旦切って間を開けた。 それから、ニヤっと笑う。 「必ず言わせてみせる」 普通に聞いていたら、恥ずかしすぎる言葉に呆気に取られる翼。 『好きで好きでたまらないんです』と目黒に言う自分を想像してみた翼は、ひたすら寒気しか感じなかった。 決してドキッとしたわけじゃない。 それとは違う気持ちだ。 目黒に抱く気持ちは前も今も変わらない。 だいぶ風変わりな人で考え方が、まるで私とは違う人。 こんな人は全然、全然…好きなタイプなんかじゃない。 だが、目黒をまっすぐに見つめた翼の顔は、かなり赤く染まっていた。
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