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「徹は私が買ったシーツの上で、あの女とやるつもりだったんだよね?っていうか、初めて家に呼んだなんて嘘でしょう?」
やるとかやらないとか低俗すぎる会話だ。
だが、今までの付き合いで我慢していた不満が翼の感情を一気に高ぶらせてしまっていた。
最近、2人で新しくシーツを買い換えたばかりだった。
無地のライムグリーン色のシーツとレモンイエロー色のシーツだ。
2人で使うためのシーツ。
それを知らない女が使うことを考えたら、鳥肌もので気持ち悪くてゾゾッとしてしまう。
想像したら、吐きそうになった。
「いや、まあ落ち着いて…座れよ」
周りを気にして苦笑いする徹。
「あの人、指輪してた。赤い石のついた…あれ、徹があげたんでしょ?」
「えっ、いやあ、どうだったっけな?」
変なところだけ嘘がヘタな徹には、本当に頭にくるばかりだ。
「とぼけないでよ!」
穏便に済ませるつもりだった。
でも、現実はそうもいかなくて。
むしろ、普段我慢していたぶん、どんどん腹が煮えくりかえってきて…。
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