93人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前は、とんでもなく…」
一旦言葉を切った目黒。それから翼に
「サドだな」
と囁くように言った。
「ち、チーム長!何を言ってんですか?私は、そんなんじゃないですから!」
ムキになる翼の肩へ手を置くと目黒は翼の顔をまじまじと眺めた。
「怒った顔もそれなりに俺は好きだよ」
「は、はぁ?!」
はずい!
最高にはずいことを聞いた気がする。チーム長ったら本気で言ってるのだろうか。
どんな顔して、そんな恥ずかしいことを言えるんだろう。
目黒の澄ました顔を見て、ため息をついた。
「チーム長。あのっ、どんなつもりでこんな真似を? 金持ちのパトロンみたいで気持ち悪いです」
「気持ち悪いだと? お前は口の利き方がなってないな」
「ですが、チーム長。仮にですよ?仮にチーム長が私を…そのお好きだとしてもやりすぎです」
「お前がバカにされるのを見たくないから、していることだ。お前には関係ない」
「私のことですよ。関係ないわけないでしょ??が」
「服くらい安い買い物だ。心配するな。俺を誰だと思ってる? トントリーホールディングスの会長の孫だぞ。金で出来ることなら全て任せろ」
「こんなことを私は頼んでません!」
「?」
キョトンとする目黒。
「私、チーム長に私を心配してくれと頼みましたか?勝手に行動しないでください。そりゃあ、私は安上がりな女だと徹にバカにされてましたけど」
最初のコメントを投稿しよう!