1

6/9
前へ
/31ページ
次へ
「お前は、とんでもなく…」 一旦言葉を切った目黒。それから翼に 「サドだな」 と囁くように言った。 「ち、チーム長!何を言ってんですか?私は、そんなんじゃないですから!」 ムキになる翼の肩へ手を置くと目黒は翼の顔をまじまじと眺めた。 「怒った顔もそれなりに俺は好きだよ」 「は、はぁ?!」 はずい! 最高にはずいことを聞いた気がする。チーム長ったら本気で言ってるのだろうか。 どんな顔して、そんな恥ずかしいことを言えるんだろう。 目黒の澄ました顔を見て、ため息をついた。 「チーム長。あのっ、どんなつもりでこんな真似を? 金持ちのパトロンみたいで気持ち悪いです」 「気持ち悪いだと? お前は口の利き方がなってないな」 「ですが、チーム長。仮にですよ?仮にチーム長が私を…そのお好きだとしてもやりすぎです」 「お前がバカにされるのを見たくないから、していることだ。お前には関係ない」 「私のことですよ。関係ないわけないでしょ??が」 「服くらい安い買い物だ。心配するな。俺を誰だと思ってる? トントリーホールディングスの会長の孫だぞ。金で出来ることなら全て任せろ」 「こんなことを私は頼んでません!」 「?」 キョトンとする目黒。 「私、チーム長に私を心配してくれと頼みましたか?勝手に行動しないでください。そりゃあ、私は安上がりな女だと徹にバカにされてましたけど」 image=512214539.jpg
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加