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 大学を卒業したら、私たちは同棲を始めた。待ち合わせこそしなくなったが、結局私は待たされることになった。なんで化粧もしている私の方が出かける準備が早いんだ。  いつになったら君がプロポーズしてくれるのだろうと何年待ったことだろうか。とうとう待ちきれなかったから、私からプロポーズしてやった。君の驚いた顔は傑作だったな。  子どもを授かるのも待たされた。私は早く欲しかったが、充分貯金を貯めてからだと説得された。おかげで子どもは問題なく育ち、今ではもう自立してしまった。
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