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教室で白月と別れた後、俺は校門で待つ2人の友人の元へと急いだ。
昇降口で靴を履き替え外へ出ると、校門に背中を預けてスマホを操作する2人の姿が見えた。
待たせてしまったという申し訳ない気持ちも少しあって、俺は小走りで2人の元へ駆け寄る。
「あっ、きたきた」
そんな俺に気がついてスマホをスクロールする手を止め、こちらに目を向けるのは同じクラスの霞ヶ原誠。遠目だと女子と間違えそうになるような端正な顔立ちに華奢な身体。男にしては長い髪が、微風でサラサラと靡く。
「悪い。ちょっと厄介な奴に絡まれてな」
「おいおい、また白月さんと痴話喧嘩してたのか?勘弁してくれよなぁ」
明らかに揶揄する口調で言うのは、これまた同じクラスの天童輝彦。誠とは対照的に、身体のあらゆる部位がゴツゴツとした岩肌を思わせるような男性的な容姿。短く刈り上げた髪が日に焼けた黒い肌に合っている。
「勘弁してくれはこっちのセリフだっつーの。毎日毎日金魚のフンみたいに付き纏いやがって……」
「でも、あんまり嫌がってるようには見えないけどね」
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