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「だよな。なんだかんだ言って、お前本当はあの美人な白月さんと毎日話せてラッキーとか思ってんじゃねぇか?」 否定したばかりだと言うのに、2人はこちらに疑いの眼差しを向けてくる。 「だから違ぇって。てか、そんなことよりさっさと行こうぜ。早くしないと部屋埋まっちまうぞ」 「おー、そうだったそうだった。……あっ、遅れた罰として今日の払いは晴人持ちな」 「サンキュー晴人」 「勝手に決めんなよ……」 遅れたのは白月に絡まれた所為であって、決して俺が悪いわけじゃないんだが、ここで言い争っても時間の無駄だ。 仕方ない。将来への投資の意味も込めて、今回は俺の奢りってことにしておいてやる。 と、まぁ、そんなこんなあって俺たち3人はようやく学校近くのカラオケ店に向かって足を進めた。 前を歩く2人の後ろをついて行きながら、まだ彼女が居残っているであろう校舎2階のとある教室を一瞥する。 春の匂いを含んだ茜色の光が、教室の窓硝子に反射して煌めく。 ここからじゃ、あまりよく見えないな…… 「おーい、晴人。置いてくぞ」 「おー、今行く」 そう言って輝彦の呼ぶ声に返事を返すと、20メートル程先で待つ2人の元へ向かって、アスファルトの上を駆け出した。
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