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今までに何度か俺に付き纏う理由を尋ねたことがあるが、全て必要のない罵倒をこれでもかと浴びせられながら、上手い具合にはぐらかされた。 今でも、どうしてこいつがしつこく俺に纏わりつくのかは謎のまま。 だから俺もいつものようにこいつに尋ねる。 「大体お前なんなんだよ。小学生の頃からずっと付き纏いやがって。もしかしてあれか?お前俺のことが好きなのか?」 「寝言は寝て言うものよ。そんなことも知らないなんて、一から義務教育をやり直した方がいいんじゃない?それとも、私があなたのことを好きだというのは、あなたの願望なのかしら?それなら申し訳ないことをしてしまったわね。あなたが心の内に隠している、私に対しての熱い想いに気づいてあげられなくて」 白月は眉ひとつ動かさず、息を吐くかのように淡々と罵倒する。 天才は嫌いだが、それ以前にこいつは人として嫌いだ。 法律さえなければ、その整った綺麗な顔面に拳をめり込ませるくらいのことはしてやろうといつも思う。 「そんなクソみたいな性格してるから友達の1人も出来ねぇんだろ。もしかして自覚してないのか?」     
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