母と私と弟そして父

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それはどうしてかというと、現在ミホナが私が一人暮らしをしているアパートで知らない中年男性と私のベッドで寝ているという事を伝えれば充分だろう。  私はその日仕事から帰って週末ということもあったのんで今日はちょっと贅沢しますかね、という気持ちでビールとちょっといいおつまみを買って帰宅した。時刻は午後七時頃。私が働いている職場は定時退社が普通なので通勤時間を足して今日は買い物をしたのだから、まぁこれくらいだ。特別遅いわけではない。  付き合っている人もいないし親しい友達はこの近くにはいないので週末も休日も一人で晩酌をするのが定番になっている。今日もその一日の中の一日だ。  さてさて、シャワーでも浴びて録りためているためているドラマでも見ますかと思いながら玄関のカギを開けようとすると鍵が開いていることに気が付く。  普通なら空き巣にでも入られたかと思うかもしれないけど私の場合はこういうことはたまにある。それはカギをかけ忘れたというわけではなく、私のほかに一人合いかぎを持っている人がいるからだ。  「ああ、もう」  少し不機嫌になってドアをあけると狭い玄関に派手な黄色のハイヒールと革靴があった。サラリーマンが履いているようなどこにでもあるデザインの靴だがきれいに磨かれていてそろえておいてあるので靴だけで好印象だ。     
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