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「蓮。これ、私の家にあった蓮の本。もう私が持ってる権利ないから返すね。」
次の日、立夏に呼び出されたから何かと思った。
立夏の目は腫れていた。
俺が泣かしたのかな。
そう思うと固く心が締め付けられた。
俺は立夏に伸ばしかけた手を抑えた。
今、手を出したら戻れなくなる。
俺は、里穂に償いをしなければいけないし、自分もそれを望んだんだ。
「ねぇ。蓮。昨日言ったよね。怪我をさせたから付き合うって。私、愛人でもなんでもいいから、蓮のそばにいたいよ。」
立夏は俺の学ランの裾を引っ張るように持った。
「駄目だ。俺はちゃんと真剣に彼女と付き合おうと思ってる。俺と付き合ってたときも、そうやって男に媚びってヤってたんだろ?もう、俺そういうのに疲れた。」
俺がそういうと今にも泣きそうな顔して俺から顔を晒した。
立夏の揺れる髪の毛の隙間から誰かがつけたのであろうキスマークが見え、俺を苛立たせた。
「なんだよそれ。」
俺がそういうと立夏は首を隠すように抑えた。
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