歪んだ愛のその先は

きっかけ

「あーあ。やっぱり、足痛いな。片桐くん責任取ってくれる？私のお願い一つ聞いてくれる？」

「もちろんです。責任とります。」

「じゃあ、私の彼氏になって？」

「彼氏に？」

「あぁ。もしかして彼女いる？」

「あいつは俺のことなんて好きじゃないですから。なりますよ。里穂さんの彼氏に」

「いいの？また自分のこと好きじゃない人と付き合っても。」

聞けば里穂さんには俺の一つ上の先輩。そして好きな人がいるそうだ。その人に振り向いて欲しくて、俺に付き合って欲しいと頼んだそうだ。

しかもその好きな人の名前が偶然にも廉(れん)というものだから、同時にその名前を呼べば自分の欲も満たせる。そう語っていた。

でも、こんなことを引き受けたなんてやっぱり俺はどうかしてたのかもしれない。