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後藤と同期の女性社員がすり寄り、その仕事の片付けかたを今頃ああだこうだとやり取りしている。 聞くならもっと早めに誰かに指導してもらえよ…… 祐美はそう思ったが、助け合うことは悪いことではないし、それで仕事が終わるのなら、違法でない限り手伝いだろうが誰かにコツを聞こうが構わないのだ。 けれども実際与えたのは『仕事を一人で片付ける』というカリキュラム的なものなのだから、早く仕事を覚えるためにも試行錯誤して方法を見つけてもらいたいのだが── 「なー。やっぱ係長って仕事の振り方が下手だよなー」 「ちょ、ちょっと…後藤君……」 「あ?なに?」 あまり大きくはなかったが、後藤のその声は室内に響き、一瞬にして水を打ったように静かになった。 さすがにその言い方をひどいと思ったのか、後藤を手伝おうとしていた女性社員がそっと囁いたが、後藤はさらに言い募る。 「だってさー。俺ら新入社員じゃん?こんなのやれって言われただけだったら、できないっつーの」 確かに『新入社員』ではあるが、会社訪問や合同相談会などで仕事内容の説明も受け、疑似だったり短期間でも実際の部署で簡単に業務体験の社員研修も2ヶ月も行っているのだ。     
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