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シュッ。 シュッ。 シュッ。 シュッ。 パサッ。 いかめしい老王。 パサッ。 落雷に打たれて崩れる塔と、そこから落ちる人々。 パサッ。 縄のような輪の中に浮く女性。 「なるほど……ね」 意味深な呟きは、祐美のすぐ前の人物から漏れていた。 トランプよりも大きなカードたちは、その絵柄をすべてその人物の方へ正しく向け、祐美からは逆さに見えている。 「あ…あの……?」 人並みに『占い』に興味もあったし、わざわざ半年ごとに特集を組んでくれる女性月刊誌にも乗っていたことがあるから知っているけれど、祐美の前に置かれたのはタロットカード。 3枚。 その3枚が意味するところは解らないし、なぜそこに置かれ──いつの間にそういう状況になっていたのかもわからない。 「専制君主……と行かなくても、ずいぶんとあなたの『やり方』って凝り固まっていたのね?」 「うっ‥……」 「カタルシスが来て、そこになじまない……ああ、小狡いタイプのぼうやね?ふぅん……波風立てられる要因が来て……」 指が適当に選んだカードが開かれると、剣を肩に担いでにやりと笑う男が、やっぱり祐美からは逆さの位置にさらされる。 「何が……」 「ふふ……面白いでしょう?そして……混乱は続く」     
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