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翌年の一月二五日のことだ。誰もが驚くほど唐突極まりなく、梶村の退学と引っ越しが知らされた。容体の悪化により通学が不可能になり、遠くの病院に入院することになったとのことだった。
授業が終わり、私と火野が部活を無断でサボって梶村の自宅に駆けつけた時には、長年にわたり親しみ、壁の傷やカーペットの染みの位置さえも知るところとなっていたその家屋から、あの快活な少年は陽炎のように姿を消してしまった後だった。
今更ながら携帯にかけてみたものの、一行に繋がらなかったため、私たちは学校に戻り、ともすれば恐喝に間違われかねない勢いで担任の教師を問い詰め、梶村の引っ越し先と病院を教えてもらった。
しかし、引っ越し先は高校生の私たちにはあまりにも遠く、何より、二人とも親の許可が下りるはずもなかった。引っ越し先にはなぜか固定電話がないらしく、私たちは仕方なく手紙を書くことに決め、どうして引っ越しと入院のことを話してくれなかったのか、また、親の許可と旅費が取れ次第すぐにでも一度会いに行く旨を書き綴った。
梶村は入院しているから、恐らく返事は遅くなるだろうと分かっていながらも、私たちはその後の数週間を異常なほどやきもきしながら過ごした。
二月七日に梶村からの手紙が私の家に届いた。火野に知らせると、どうして自分宛じゃないのかと不平を漏らしつつもすぐに向かうと言い、その言葉通り五分もしないうちに私の家に到着した。二人揃ったところで封を開けたが、ひどく震えた筆跡が梶村の容体の重さを物語っていたように思う。ここでその手紙の全文を正確に引用しておく。
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