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「どう見えるのかは知らないし、どうでもいいんだ。相手が他人なら」
「……」
「久瀬さんから見て、どうだった? 俺、ちゃんと、色気、あった?」
抱きたいって思って、くれた?
「あっ……ン、久瀬、さんっ」
「……」
腰を上げると、内側が久瀬さんにしがみついて、きゅぅん、って、孔の口を締め付ける。
「や、だぁっ……やっぱ、これ、やだっ」
「……」
「ゴム、邪魔っ」
久瀬さんの大きさを熱を、形を、直に感じたいのに薄い皮がそれを邪魔する。もっと熱いのに、もっと、生々しい感触なのに、ゴムの無機質さなんていらないのに。
「あ、あっ……ン、久瀬、さっ」
だから、自分で腰をグッと沈めて、深いところまでこの人を迎え入れた。一番奥のところに注ぎ込むように突き刺さるとこ。
決して軽くなんてない俺は腰を振って、孔からあんたのこと、咥え込んでしゃぶりつく。必死だよ。脚であんたのこと挟み込んで、ずぼずぼ、ぐちゅぐちゅ、平日の夕方、いやらしい音を立てて、してる。
「ンっ、久瀬さん、気持ちイイ?」
「あぁ」
下から見つめられて、ぞくりと快感が背中を伝う。
「お前は?」
「ンぁ、やだ、ゴム、取って」
「ダメ」
「ぁ、あっ、ン、だって、久瀬さんの生が、いいっ」
「やらしいおねだりしたってダメ」
この人の腹に手をついて、甘い声を上げながら、今日は俺がこの人を孔の口で、抱きしめてる。
だって、この人が、ゴム、するっていうから。イヤなのに。中に欲しいのに。だから、今日は俺がする。俺の欲しいものをくれないから、俺はあんたのことを好きにさせてもらう。
「あっンっ……久瀬、さんっ、ぁ、あっ」
「自分から、好きなとこに擦り付けて」
「ぁ、ぁっ、やだ、孔、広げっ……俺が、するんだってばっ」
「気持ち良さそうに啼いて」
「あ、あぁっ……ン」
「必死に俺のこと誘惑して」
だって、久瀬さんの欠片、欲しい。
「や、だ? 俺、欲しがり、すぎ?」
「いや、可愛いよ」
気持ちイイ? 生でしたら、きっともっと気持ちイイよ? 俺、生じゃないとイかないし、あんたのことイかせてあげない。欲しい? 俺のこと。イきたい? この中で。だから、ね、久瀬、さん。だから、このゴムを。
「やらしい黒猫」
「あ、あぁぁぁっ、ン、やだっ、今、触られたら、イくっ、や、だっ」
「イくとこ、見せて」
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