5 西日が差し込むこの部屋は

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 邪魔にならないように、ソファのところに座ろう。ここだとこの人の邪魔にならずに、けど、いくら見てても笑われないからさ。  あごだし鍋、ね。そしたら、スーパーに行かないとだ。ぁ、そんでスーパーに行くんだったら――。 「! あっつ、甘っ!」 「っ、アハハハハハ、な、なぁ、クロ」 「……」  え、なんで急に大爆笑? 「お前、ホント、見てて飽きないわ」  え、だから、なんで? 何が? 「っぷくくく」  なんで笑われてんの? 俺。 「はぁ、ホント……」 「……久」 「お前って……」  執筆途中なのか、メガネをしたままの久瀬さんがこっちへ振り返って、手を伸ばす。俺の顎っていうか喉っていうかをくしゅくしゅって、また、手で撫でて、そして、笑った。  ちょうど差し込んできた西日に眩しそうに目を細めて、笑いながら、長い髪をかき上げて、俺はそんなこの人を見ながら、思ったんだ。  なんて、色っぽい人なんだろうって。
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