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「き、昨日、舐めた、よ」
「お前ね。大人をからかうな」
そう、昨日、この人のを舐めた。キスもした。触れるだけのやつから、深くて濃いのまで。たくさんした。
「あの、また、してくれる?」
「……」
「俺のこと、また、抱いてくれる?」
「お前、なぁっ」
少し大きな声に、朝の空気がびっくりしてる。俺は壁に追いやられて、小さくなんてなりようもないしっかりした肩を竦めた。
「さっき、ゴム、買っておくって言っただろうが」
「……いいよ。ゴムは」
「そこで不貞腐れない」
だって、ゴムしたらあんたのもらえないだろ。せっかく抱いてくれるのに。
「あのなぁっ!」
「……」
「お前ね、こっちこそ、切羽詰って余裕なしで処女のお前を抱いたんだぞ! 悪かった。ゴムなしで、ローションだって持ってなかったし。そんな準備できてないセックスなんて、もう二度としたくないって、言われやしないかって」
こんなに嬉しいのに? 夢みたいだと思って、さっきから足の指をぎゅっと握ってみたりしてるのに?
「今のところは、辛かったりしないか?」
「あ、ヘーキ……です」
そして額に額を当てて、熱を測るみたいに。
ほら、平気だろ? あんたのほうが俺より体温高いんだ。昨日だって、俺の中にいるあんたはすごく熱かった。内側から溶けそうなくらいに熱かった。
それに、大きくて、太くてさ。
「また、したいと、思ってくれるか?」
「し、たいよ」
久瀬さんのは硬くて、強くて、ほら。
「したい、よ」
ほら、思い出したら身体が火照る。ね? もう、こんなになってる。
「久瀬さんと、また、したい」
「ゴムが……ない、っつってんだろ」
「ン。でも、掻き出せば平気なんでしょ?」
昨日ずっと揺れて忙しかっただろうベッドが、ぎしりと軋んだ。
「お前ねぇ、そういう問題じゃ」
「久瀬さんだって、硬く、してる」
「これは……」
「したいよ。久瀬さん」
そして、俺は、また脚を開いて、昨日の余韻がまだある熱い内側を好きな人に、見せつけた。
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