17 朝、夢のような

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「き、昨日、舐めた、よ」 「お前ね。大人をからかうな」  そう、昨日、この人のを舐めた。キスもした。触れるだけのやつから、深くて濃いのまで。たくさんした。 「あの、また、してくれる?」 「……」 「俺のこと、また、抱いてくれる?」 「お前、なぁっ」  少し大きな声に、朝の空気がびっくりしてる。俺は壁に追いやられて、小さくなんてなりようもないしっかりした肩を竦めた。 「さっき、ゴム、買っておくって言っただろうが」 「……いいよ。ゴムは」 「そこで不貞腐れない」  だって、ゴムしたらあんたのもらえないだろ。せっかく抱いてくれるのに。 「あのなぁっ!」 「……」 「お前ね、こっちこそ、切羽詰って余裕なしで処女のお前を抱いたんだぞ! 悪かった。ゴムなしで、ローションだって持ってなかったし。そんな準備できてないセックスなんて、もう二度としたくないって、言われやしないかって」  こんなに嬉しいのに? 夢みたいだと思って、さっきから足の指をぎゅっと握ってみたりしてるのに? 「今のところは、辛かったりしないか?」 「あ、ヘーキ……です」  そして額に額を当てて、熱を測るみたいに。  ほら、平気だろ? あんたのほうが俺より体温高いんだ。昨日だって、俺の中にいるあんたはすごく熱かった。内側から溶けそうなくらいに熱かった。  それに、大きくて、太くてさ。 「また、したいと、思ってくれるか?」 「し、たいよ」  久瀬さんのは硬くて、強くて、ほら。 「したい、よ」  ほら、思い出したら身体が火照る。ね? もう、こんなになってる。 「久瀬さんと、また、したい」 「ゴムが……ない、っつってんだろ」 「ン。でも、掻き出せば平気なんでしょ?」  昨日ずっと揺れて忙しかっただろうベッドが、ぎしりと軋んだ。 「お前ねぇ、そういう問題じゃ」 「久瀬さんだって、硬く、してる」 「これは……」 「したいよ。久瀬さん」  そして、俺は、また脚を開いて、昨日の余韻がまだある熱い内側を好きな人に、見せつけた。
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