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と、あんなも同じポーズでとろんとした。
「大豆でできたマシュマロなんて知らなかった。おかあさんに買ってもらう」
エカキも同じメニューでうれしそうだ。
「ふう、もう一口も入らねえ」
ため息をついて、空を見上げたエースが、
「おわーっ!」
いきなり大声を上げた。
「うるさいなあ」
あたしが顔をしかめると、エースはさかんに空を指さす。
その指を伝って見上げて、
「わわわーー!」
もっと大声であたしは叫ぶ。
「どしたどした」
みんなタープから出てきて、空を仰いだ。
……これ、ほんとうに、星?
プラネタリウムでもこんなの見たことない。広い広い空間に、銀色の砂をばらまいたみたい。こういうのを「満天の星空」っていうのかな。
「……こわい」
あんなが鴎さんにすがりつく。鴎さんは微笑んで、あんなの肩にそっと手を置く。
その気持ち、あたしにもよくわかる。あんまりにもきれいなものを見ると、心が震えて、とてもとても怖くなるんだ。
あたしも、近くのおじさんの腕にしがみついた。
白っぽい目でちらっと見たけど、珍しくひぐっちゃんは「くっつくな」とはいわなかったよ。
△
後片付けも、そのあとのぐだぐだゲームタイムも楽しかった。
気がつくと、エカキが頭をこっくりこっくり揺らしている。
鴎さんが立ち上がる。
「もうお休みになりますか? 大浴場に行きたい人は車で送りますよ」
「大っきいお風呂行く行く」
あたしとカイとあんなが手を上げる。
「エースも行こうぜ」
カイがごくふつうに誘った。
「そうだよ、あんたまたどろどろじゃん」
あたしもいったけど、エースは首を横に振って、
「ううん、先に寝る」
半分寝ているエカキ(たぶん、途中から寝たふり)の肩を担いで、パオへ向かった。
お風呂も広くてぴかぴかですてきだった。
空には、いよいよ降って落ちそうな星々。
草の匂いの夜風がさわやかに吹き渡る。ほてった体には心地いい。
生乾きの髪を揺らしながら、あたしたちはぶらぶら車へと歩く。
あんなと鴎さんが並んで先を行く。ふたりはときどき顔を見合わせひそひそ話し、くすくす笑う。
いつもは男の人を見ると、すぐ真っ赤になっちゃうあんななのに、さっきからずっと鴎さんにくっついてる。
「鴎は、見た目もしぐさもやさしいからね」
あたしの隣でカイが訳知り顔にいう。
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