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エカキがうれしそうに声を上げる。
「おう」
ぶすっと席についた。
霧はすっかり晴れ、あたたかな斜めの日が差しこむ。小鳥が鳴いて、ゆるい風がわたり、今日もすてきなお天気になりそうだ。
無数のパンケーキが焼きあがって、香ばしいコーヒーが入って、すばらしい朝ごはんが完成した。
「いっただきまーす」
ぱちんと手を合わせて、あたしはさっそくバターと糖蜜のかかったパンケーキにかぶりつく。
「おいしい!」
いつものパンケーキと違うけど、中身しっとりで何枚でも食べられそう。
あたしは感動して隣を向いた。
「ね、おいしいね、エース」
「……」
「カイ、これ好きな味でしょ?」
「……」
明らかに男子どもの雰囲気がおかしい。エカキも笑っているけど、眉毛はとても困ってる。
あたしの耳に手をあてて、あんながささやく。
「また、ケンカしたんだって」
「え、なんで?」
あたしが聞き返すと、さあ、というふうに肩をすくめる。
これみよがしな大声が響きわたった。
「何にもないところに、わざと波風立てるやつのせいじゃない?」
カイがパンケーキにフォークをぶっすり突き立てる。
食器をがちゃんといわせて、
「はあ?」
エースが立ち上がる。
「食べよ、ね、食べよ?」
エカキにシャツのすそを引っぱられて、エースはしぶしぶ座ったが、
「てめえで稼いだ金でもねえくせに、えばり散らす金持ち坊ちゃんのせいじゃね?」
明後日の方を見て怒鳴る。
「なんだと!」
今度はカイが立ち上がる。
「カ、イ、」
あたしがとがめると、すとんと腰を下ろした。くっつくほど皿に顔を近づけて、やけくそのスピードでかっこみだす。
「あーははは、面白れえ、やれやれ」
手をたたいて笑いだしたのはひぐっちゃんだ。
「どうせなら相撲かなんかで決着つけろ。おい鴎、おまえどっちに賭ける?」
エカキにジュースをサーブしていた鴎さんは、
「だ・ま・れ」
口の形だけでいって、ひぐっちゃんをにらむ。でもピッチャーを置いて、いつものにこやかな顔に戻った。
「さて、本日の予定をお伝えします。皆さんにはこれから、今夜の夕食の食材を調達してきていただきます」
「え?」
「なになに?」
「どういうこと」
むくれた約二名をのぞいて、口々に聞いた。
みんなの注意をじゅうぶんに引きつけてから、鴎さんは続ける。
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