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「手紙にあったエアちゃんとソラちゃんを見に行くためです」
「よし置いていく」
「なんでだよー!しゃべったじゃんよー!」
寝転がり子供のように駄々をこねるジュン。
目の前に広がる光景は中々に空しいものであった。
「と言うか人の妹と幼馴染見てそんな楽しいか?」
「普通は楽しくない。だがその2人は別だ」
ジュンは起き上がり、懐から一枚の写真を取り出す。
1人の少年の側に2人の少女が立っているものだ。
少年の右側に立つ茶髪で短髪の少女は歯を見せて笑い、左側の銀髪の少女は恥ずかしそうにはにかんでいた。
「この写真が証拠だぁ!」
「......っ!お前いつの間に!」
「盗んでないぜ。カバンから落ちたのを拾っただけ」
ジュンはじっと写真を見つめる。
「前も見たことあったけど、これ入学前?」
「あぁ、6年前のだ」
ヴォルクは素早く写真をふんだくる。「ていうかいつまで見てるんだよ」
「ぶっちゃけどっちが好み?お前ロングヘア好きだからソラちゃんかな?」
「やかましい」
「ソラちゃんの手紙だけ読み直してるの、俺様知ってるぞ」
「......っ!」
「6年間片思いかぁ。健気と言うかこじらせてるというか」
「......」
「わ、悪かったって!そんな怖い顔するなよー」
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