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番契約を破棄されたオメガがどうなるか知っていれば、決してみきとの番契約を破棄なんてしないだろう。
でもやっぱり本当に優しい人はまず浮気をしないし、こんな風に番を放っておかないのではないかとみきは頭を捻る。
みきの結論はひろは善人を装ったクソ野郎だということで一旦落ち着いた。
それでもやっぱり好きだからみきは困ってしまうのだ。
嫌いになれたら今すぐ陰茎をへし折って、一生交尾なんて出来ない体にしてやるものを。
はあ……。
また溜息だ。結局溜息を吐くだけで、みきは為すべきことをやろうとしない。
みきの兄弟は皆、やるべきことをしたというのに。
みきはどうにも兄弟の中で落ちこぼれだ。
みきの望みは大好きなひろと結婚して番になることだった。でもそれは一つ目でしかなくって、子供を産んで、幸せな家庭を築くという夢はまだ叶っていない。
それがいつもみきの後ろ髪を引くのだ。
叶うことのない儚い夢。
それを諦めなければと思うのにももう疲れた。
だからみきは、今日の今日こそ決意を固めた。
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