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その世界を待ち続け、
彼女はちょっとだけ変わってる。
別におかしいことでは無くて、ただちょっとだけ個性にあふれているだけ。むしろ素晴らしいことだと思ってる。
だけど彼女はその素晴らしい個性により自分だけの世界に没頭してしまうところがあって、
俺はいつも置き去りにされるんだ。
「なあなあ」
「・・・」
「なあなあ」
「・・・」
「なあなあ」
「・・・・・・・・・じゃま」
なあなあ×三十セットで邪魔の一言を貰えたなら今日はなかなかいい日だと言える。
「遊ぼうぜ」
「・・・子供みたぃ」
「いいじゃん。子供子供。俺もお前もまだ子供」
「・・・・・・ぁほくさ」
「何する? トランプ? ウノ? それとも・・・」
「やらないってば」
「じゃあ、大人の遊び?」
「・・・今子供って言ってたよね?」
「前言撤回!」
「支離滅裂」
知性で劣り、彼女の世界を理解できない俺は、基本彼女から相手にされることはない。
だけど俺はやっぱり彼女が好きだ。
理由なんてないと思う。
いや、もしかしたらあるのかもしれないけど、
俺の拙い理解力では自分の思いすらあやふやで。
だから、
だから俺は待ち続ける。
いつか、彼女が振り向いてくれるその日を、
いつまでも、
いつまででも、
待ち続けている。
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