6話「督促状」

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◇ 『泣きたい時だって 時にはあるけれど』 『私たちの想い それが明日の ち・か・ら~!』 『キャッチ! キャッチ! ラブリーキャッチ!』 ブツンッ。  軽快に流れていた音楽が途切れる。同時に私の足も急ブレーキを踏んだ。  フクパラの目の前に、ガタイの良い一人の男が立っていた。  捲った派手な柄のシャツから覗く、大きな蛇の刺青。  瞬間、私の頭の中に警報が鳴り響いた。  一般人なら間違いなく『関わってはならないタイプ』の人種であることを察知する。  男はしばらくフクパラを見上げていたが、こちらの視線に気付いて振り返る。  ワックスで固めたオールバックに、耳には沢山のピアスが付いている。  ぎょろりとした瞳でガンを付けられ、恐怖のあまり思わず肩が跳ねた。
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