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(それに何より、一番辛いのはきっと、オーナーの葉さんのはず。私達が泣いてばかりいちゃ駄目だ)
「・・・・・・考えてみます。フクパラを救う方法を」
頬を伝った涙をもう一度拭い、私は気持ちを新たにして頷く。
「みやびお姉ちゃん。お姉ちゃんはひとりじゃないよ」
あどけない声に振り返れば、氷君が私を見上げていた。手には私の好きな『ふわりん』のぬいぐるみ。店内のインテリアとして、ひっそりと置いていたものだ。
「はやてとゆいもいるでしょ。ラブキャに出てくる『ゆうちゃん』だって、仲間といっしょにわるものをたおしてる」
彼に言われ、改めてカウンターの方を向く。
(そうだ。私だって一人じゃない)
カウンターの近くに立っていたはやてと結君は、私の視線に黙って頷いた。
「ぼくと雪にも、できることがあったらなんでもする。ね? 雪」
「もちろん」
弟に振られ、雪ちゃんも力強く頷く。
本当は二人だってフクパラの話を聞いてショックだったはずなのに。
あろうことか小学生に励まされてしまった。
「ありがとう」
床に膝をつき、氷君と雪ちゃんを私はぎゅっと抱きしめた。
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