7話「マスターからの手紙」

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「ペンダントは孤児だった主人公を育ててくれた、亡きシスターの形見だった。二人に血の繋がりは無かったけれど、互いを想う強い絆がペンダントの力に変わるんだ」 「お、おう」 「面白そうだね。フクパラのことが解決したら、皆で鑑賞会しよっか」 「そうじゃなくって!」  なかなか察してもらえない雰囲気に私はのけぞる。 「なんだか葉さんの話に似てると思わない?」  そこまで説明して初めて、「確かに・・・・・・?」と二人は頭の上に疑問符を浮かべながらも頷いてくれた。  督促状に記されている、退去までに残された時間は約二週間。  それまでに私達はフクパラを救う手立てを考えなくてはならない。 (それで、思い付いたのがこのシリーズだったんだよね)  『シリーズ最高に泣ける作品』としてファンから高い評価を受けたラブリーキャッチの過去作。葉さんと相通じる点があることからシリーズを見返せば何か得られるのではと思ったが実際はそうも上手く行かず、なかなか良い案は思いつかない。  私はスマートフォンの画面を前にうーんと唸った。
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