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◇
授業の後、私は我先にと教室を出ようとする学生の波に抗いながら、教壇にいる先生の元へ向かった。
「先生。突然なんですけど。オーナーが亡くなった店の所有権を、血縁者じゃない人が勝ち取る方法を教えて欲しいんです」
「どうしたの、いきなり」
突拍子もない質問に先生は驚いたような表情をした。
確かに質問内容だけからするとかなり怪しい。前置きもなく聞いたことを私は後悔した。
「ちょっと小説で読んで。天涯孤独だったオーナーが唯一の友人だった人に店を譲る方法ってあるのかなー、って・・・・・・」
これ以上怪しまれないように慌てて誤魔化す。
私の問いに、先生は顎に手を当てて考えた。
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