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「池田さんの言う通り。所有者の意思によって、親族ではない方に土地や店舗の所有権を譲ることは可能です。あくまで意思を証明するものがあれば、の話ですが」
先生は丁寧に教えてくれた。
「それは・・・・・・遺言ということですか?」
畳みかけるように尋ねれば、先生は頷いた。
「ええ。開封していない遺言書があると良いでしょうね。もしそこに土地や建物の後継者についての記載があれば、親族でない方でも後を継ぐ権利が生まれます」
やはり店で三人で話した通りだ。
オーナーの(自称)親族からフクパラを守るためには、葉さんが正式に店の所有権を勝ち取るしか方法は無い。
(そのためには、何としてでもマスターが葉さんに店を譲ることを示す証拠を探さないと・・・・・・)
「池田さん? 大丈夫?」
深く考え込んでしまっていたところを、先生の声で我に返る。
「あっ、すみません。ありがとうございました」
先生にぺこりと頭を下げてお礼を言うと、私は小走りで教室を後にした。
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