2話「ハル兄(にい)の麻婆豆腐」

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「さ、ハルには明日からまた頑張ってもらうよー」  両手に荷物を持った葉さんが、間延びした声を上げる。 「兄弟のためだけじゃなくて、お店に来るお客さんにも美味しいご飯を作ってもらわなくちゃね」 「おう、任せろ」  短い研究期間で得意料理のレパートリーが増えたと、ハルさんは得意気だ。 (ハルさんならきっと美味しいメニューを考えてくれるはず)  彼の晴れやかな笑顔を見ながら、私はそう思った。
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