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「ラブキャの原作者が描いた漫画って言ってたよね」
「そう。ストーリーも面白いの!」
彼に見せるために、ビニール袋から漫画を取り出す。
「どんな話? また魔法少女系?」
パステルカラーで彩られた表紙を覗き込みながら、はやては尋ねた。
「うん。今度の主人公は女の子じゃなくて、魔法少女に憧れる男の子の話なんだけど――」
「あれ? みやび?」
言いかけたところで突然耳に届く、聴き慣れた声。
振り返れば、通り沿いの居酒屋から、五人組の若い男女が出て来るところだった。
皆カバーに入れたラケットを肩から下げているところを見ると、大学のサークル仲間の集団と思われる。
そのうちの一人の女の子が、私に気付いて声を掛けていた。
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