4話「OWLNIGHT(オウルナイト)、結成」

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「ラブキャが好きな本当の自分を知られたら、また気持ち悪がられるかもしれない。そう思って、大学に入学してからも私は取り繕った部分しか人に見せられなくなった」  周りに合わせたファッションに、周りに合わせた適当な話題。  ちっとも楽しくなんかないけれど、それで周囲に受け入れてもらえるのなら、グループの『一員』として認めてもらえるのなら。  それで構わないと思っていた。 (でも、全然かっこ良くないよ。こんなの)  きっとはやては私の姿に失望したことだろう。けれどそれが大学における自分の真の姿であり、今更悔やんでも後の祭りだ。  気付けばぱらぱらと小雨が降り始める。黙って聞いていたはやては、やがて小さく息を吸った。
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