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優しいはやての言葉に、不覚にも涙腺が緩む。
全ての人に認められなくたって良い。
自分の全てをさらけ出し、自分のありのままを認めてくれる仲間がいれば、私には十分だ。はやての言葉に、私は強くそう思った。
「ありがとう、はやて」
涙をぐっとこらえ、掠れた声でそう言えば、はやてはぽんぽんと私の背中を撫でた。
「そしたらとりあえずラーメン一杯付き合ってくんない? 沢山練習したらお腹空いちゃった」
「それが狙いだったの!?」
呆れ果てて突っ込めば、えへへ、とはやてはだらしなく笑う。
「駅前に新しく出来た豚骨ラーメンのお店が美味しそうでさあ。一ヶ月熟成されたとんこつスープに店長が打ちまくったもっちもちの麺と分厚い角煮が入ってるんだって。ああ~! 食べたい~!」
食レポ同然のはやての話を聞きながら歩けば、私もお腹の虫が「ぎゅるる」と鳴った。
顔を見合わせて互いの空腹を笑い合うと、私達はラーメン屋までの道を急いだ。
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