5話「池袋トキメキフェスティバル」

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「ふんふーん。ふんふん」  カフェの閉店作業をしながら、思わず鼻歌が漏れる。 「まだ歌ってるのか」  掃き掃除をする結君は、呆れたような顔をした。  他の三人は事務局からの要請で、トキフェスの後片付けに駆り出されている。 「だってこんなに上手く行ったのが嬉しくて」  瞳を閉じれば、夢のような光景が蘇る。  サンライズシティの、あのステージで。  オウルナイトは確かに沢山の観客に向けてパフォーマンスをしたのだ。 「今日のことがあったからって、すぐに何かが変わる訳じゃない」  ブラシで掃き掃除を終えた結君は、テーブルに上げた椅子を戻しながら淡々とした答えを返す。 (それでも結君が振付を考えてくれたお陰だから) 「ありがとう、結君」  改めてお礼を言うと、彼は作業をする手をぴたりと手を止めた。
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