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「ふんふーん。ふんふん」
カフェの閉店作業をしながら、思わず鼻歌が漏れる。
「まだ歌ってるのか」
掃き掃除をする結君は、呆れたような顔をした。
他の三人は事務局からの要請で、トキフェスの後片付けに駆り出されている。
「だってこんなに上手く行ったのが嬉しくて」
瞳を閉じれば、夢のような光景が蘇る。
サンライズシティの、あのステージで。
オウルナイトは確かに沢山の観客に向けてパフォーマンスをしたのだ。
「今日のことがあったからって、すぐに何かが変わる訳じゃない」
ブラシで掃き掃除を終えた結君は、テーブルに上げた椅子を戻しながら淡々とした答えを返す。
(それでも結君が振付を考えてくれたお陰だから)
「ありがとう、結君」
改めてお礼を言うと、彼は作業をする手をぴたりと手を止めた。
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