20人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・・・みやび、ちょっとそこ座って」
彼に言われるがままに、近くの椅子へ腰を下ろす。
結君も私の前に座ると、履いていた左足のスニーカーを脱いだ。
「本当のことを話そうと思う」
結君はそう言うと、足を組んで右足の太ももに左足首を乗せる。そして、黒いテーパードパンツの左裾をまくって見せた。
「!」
均整の取れた彼の綺麗な足には、ふくらはぎからかかとにかけて、痛々しい一文字の傷跡が残っていた。
「どうしたの、これ・・・・・・」
手術をしたのだろう。メスで切ったような傷だ。両手で口を押さえる私を前に、結君は初めて自分の過去を語った。
最初のコメントを投稿しよう!