20人が本棚に入れています
本棚に追加
6話「督促状」
ヴーッ、ヴーッ。
スマートフォンの振動で目を覚ます。大学の図書館で自習をしていたが、気付いたら眠ってしまっていたようだ。
画面を開くと、フクパラのSNSアカウントのフォロワーが増えた旨を伝えるメッセージが表示されていた。
トキフェスのステージを通してフクパラの認知を高める作戦は大成功で、想像以上に沢山の人にフクパラを知ってもらうことができた。
毎日スタッフからのメッセージを投稿しているSNSのフォロワーはここ数週間でぐっと増加し、実際に店に足を運んでくれるお客さんも増えた。
『ステージ、とってもかっこ良かったです!』
『池袋にはなかなか行けないけど応援してます! いつかお店にも遊びに行けたら良いな!』
SNSにはそんなエールも届いて、とても嬉しい気持ちになる。
喜んでいるのは他のメンバーも同じで、新たなメッセージが届く度に我先にと報告するようになった。
図書館に時間を告げるチャイムの音が鳴り響く。
(そろそろフクパラに行く時間だ)
スマートフォンの画面を閉じ、私は後片付けをすると図書館を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!