6話「督促状」

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6話「督促状」

 ヴーッ、ヴーッ。  スマートフォンの振動で目を覚ます。大学の図書館で自習をしていたが、気付いたら眠ってしまっていたようだ。  画面を開くと、フクパラのSNSアカウントのフォロワーが増えた旨を伝えるメッセージが表示されていた。  トキフェスのステージを通してフクパラの認知を高める作戦は大成功で、想像以上に沢山の人にフクパラを知ってもらうことができた。  毎日スタッフからのメッセージを投稿しているSNSのフォロワーはここ数週間でぐっと増加し、実際に店に足を運んでくれるお客さんも増えた。 『ステージ、とってもかっこ良かったです!』 『池袋にはなかなか行けないけど応援してます! いつかお店にも遊びに行けたら良いな!』  SNSにはそんなエールも届いて、とても嬉しい気持ちになる。  喜んでいるのは他のメンバーも同じで、新たなメッセージが届く度に我先にと報告するようになった。  図書館に時間を告げるチャイムの音が鳴り響く。 (そろそろフクパラに行く時間だ)  スマートフォンの画面を閉じ、私は後片付けをすると図書館を後にした。
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