20人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
ハルさんは葉さんの方を向いた。
「葉、そろそろ話した方が良いんじゃねェか」
彼の提案に、葉さんは小さくため息をつく。
「そうだね。オーナーとして、スタッフへの説明責任はちゃんと果たさないと」
そしてコーヒーカップを置くと、二人の座るテーブルのそばに佇む私を見上げた。
「みやびちゃん。『西池袋抗争』って、知ってる?」
「西池袋抗争・・・・・・?」
きょとんとする私に、葉さんは「いや」と首を振る。
「知っている訳が無いよね。池袋の、黒い歴史」
そう言って、悲しそうに瞳を伏せる。少しだけ考えてから再び顔を上げると、彼は私に向かって語り出した。
最初のコメントを投稿しよう!