6話「督促状」

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「葉!」  激昂したハルさんが葉さんの両肩を掴む。 「テメェ本気で言ってんのか」  私も思わず「冗談ですよね」と声を震わせた。  短い間だったけど、折角ここまで来ることができたのに。 『フクパラを大きな店にしたい』  初めて店に来た時の、葉さんの期待に満ちた瞳が脳裏に蘇る。 「俺だって、こんな選択は下したくない。だけど」  小さく息を止め、彼は続ける。 「敵では無いとは言え、?に関わりのあった人物が絡んでる。この先スタッフにも何か危険が及ぶかもしれない」 「大丈夫ですってば」 「俺が大丈夫じゃないんだ!」  安心させようと発した言葉は、葉さんの叫びによって遮られた。  ナイフの如く鋭利に突き刺さる彼の声に、店内がしんと静まり返る。 「もう、俺の過失で仲間を傷つけることだけは御免だよ」  そう言うと、彼は寂しそうに笑った。
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