6話「督促状」

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◇ 「・・・・・・はやて」  声を掛けたが、はやてはぼんやりと虚空を見つめたままだ。 「はやて! こぼれてる!」  思わず肩をばしばしと叩くと、我に返ったはやては慌ててやかんの火を消した。 「ご、ごめん」 「もう、危ないよ」  やかんから吹き出した熱湯で危うく火傷をするところだった。  はやてが紅茶を淹れている間に、私はコンロに零れた熱湯を拭く。  すると、今度はホールで「ガシャン!」と大きな音がした。  慌てて戻れば、結君が「失礼しました」とお客さんに謝りながらしゃがみ込んでいる。  床には彼の落としたカトラリーが散らばっていた。
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