6話「督促状」

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「ありがとうございました」  店内にいた最後の客を見送るはやての声がする。 「ねえ、おねえちゃん」  キッチンで洗い物をしていれば、店内で宿題をしていた雪ちゃんと氷君が、いつの間にか足元に来ていた。  今日は授業が午前中までだったそうで、小学校の帰りに寄ってくれたのだ。 「なんかおみせのまえにすごい車がとまってるんだけど」  そう言って雪ちゃんが外を指差す。 「確かに。何だあれ、リムジン?」  雪ちゃんの言葉に窓の外を見たはやてが驚いた声を上げる。  濡れた手を拭いてカウンターに戻った瞬間、ドアが開いてスーツ姿の二人組の男が入って来た。
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