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「ありがとうございました」
店内にいた最後の客を見送るはやての声がする。
「ねえ、おねえちゃん」
キッチンで洗い物をしていれば、店内で宿題をしていた雪ちゃんと氷君が、いつの間にか足元に来ていた。
今日は授業が午前中までだったそうで、小学校の帰りに寄ってくれたのだ。
「なんかおみせのまえにすごい車がとまってるんだけど」
そう言って雪ちゃんが外を指差す。
「確かに。何だあれ、リムジン?」
雪ちゃんの言葉に窓の外を見たはやてが驚いた声を上げる。
濡れた手を拭いてカウンターに戻った瞬間、ドアが開いてスーツ姿の二人組の男が入って来た。
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