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「お待たせいたしました」
結君に渡された飲み物を、二人が座るテーブルまで運ぶ。
男がカプチーノを口に含んだ、その瞬間。
「っ!」
驚いてカップを唇から離した。
「すみません、お口に合いませんでしたか!?」
慌ててテーブルまで飛んで行って尋ねれば、彼は「いや、家でいつも飲んでいるコーヒーに味が似ていたから」と首を振った。
「『オーナー』も、コナコーヒーが好きなんだな」
再びカップを口に運びながら、独り言のように呟く。
私は大して詳しくないけれど、コーヒー担当の葉さんはあらゆるショップを巡ってフクパラに出すにふさわしいコーヒー豆を仕入れているんだとか。そんな話を聞いたことがある。
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