6話「督促状」

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「その『アドバイザー』の仕事は、楽しい?」 「はい」 「楽しそうなのに、何故そんなに悲しそうなんだ?」 「えっ」  瞬間、嵌められた、と思った。  初対面の彼は、早くから私の胸中を見抜いていたのだった。 「君は、とても悲しそうだよ」  私から視線を外さないまま、彼は言う。  店員を相手に変な人だと思ったが、我慢していた感情を堪えることができなかった。 「・・・・・・っ」  気付けば目からぼろぼろと涙をこぼしていた。 「ご、ごめんなさい」  客を前にとんだ失態だ。恥ずかしさで私は慌ててブラウスの袖で涙を拭った。 「実はこのお店、閉めるかもしれないんです」  理由を話さない訳には行かない。  仕方なく打ち明ければ、背後で雪ちゃんと氷君が「えっ」と驚いた声を上げた。 「フクパラ、おわっちゃうの!? どうして!?」  二人が悲痛な声を上げて私の足元にすがり付く。  私につられて泣きそうな表情の彼等を前に、今はただ「ごめんね」と謝るしかなかった。
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