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取り乱してしまったことを改めて詫びると、「悲しんでいるのは君だけじゃない」と、視線を外に向けた。
見れば、カウンターで結君がぼろぼろと涙を流して立っている。
「嘘・・・・・・結君!?」
自分の感情に当の本人も戸惑っているようで、「すまない」と視線を泳がせた。
「諦めるのはまだ早い。きっと何か手立てはあるはずだ」
男は私達を励ますかのようにそう言う。その言葉の中に悪意は感じられなかった。
初めこそ警戒したが、実際は良い人なのかもしれない。
男の言葉に、部下の青年も「すれ違いで出てった女の子達、『美味しかったからまた来たいね』って話してました」とぽつりと呟いた。
「僕もまた遊びに来たいです。オフの日にでも。だからどうか閉めるなんて言わないで下さい」
眉を下げる部下の言葉が胸に刺さる。
店を閉めて悲しいのは私達だけじゃないはずだ。
フクパラを応援してくれていた優太君やハルさんの兄弟、そしてお客さんの期待も裏切ることになる。
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