CASE.1(2)

2/16
323人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
 日中ずっと一美君が気になって仕方なかった。家の掃除中も、店の掃除中も。  今日は何度ダイソン君に異物を吸わせただろう・・・。ごめんね。  そろそろ支度をしなければならない。オレはオレから蝶子ママに代わる。  オレからアタシへ。    お店には18:30には居るようにしている。おじじはスタートが早いから。  昼のうちに松岡のばあちゃんから漬物買ったし、今日の小鉢も準備出来てる。  もうすぐ19:00になろうかという時、エミちゃんがいつもより早めに出勤してきた。  「おはよう、エミちゃん。今日は早いね、どうかしたの?」  アタシはなんとなく一美君の事が気になって聞いた  「ママ、おはよ。一美君今日来るって言ってたわ、けど、朝浩市君から   呼び出しの電話があってさ、それっきりこっちに戻ってきてないし   連絡もないんだよねー。まぁ、スーツは明日にでも渡せばいいんだけどさ   なんか、気になって仕方ないんだよね。」  基本営業でも土日は休みになっているらしく、こんな呼び出しは珍しい事なのだと  今は働き方改革だのなんだのとうるさい時代になったから。    「一美君、大丈夫かしらね・・・。」  アタシも心配だった、気持ちが葛藤している今は何をしてしまうのか彼自身でも  予測がつかないだろう。  んーっとうなり声をあげて悩んでいると、従業員たちが次々と出勤してくる。  もう、開店の時間だ、切り替えをしなければならない。  お金を頂く以上は、最高のパフォーマンスと最高の時間を提供しなければならない。    そして、ひとみちゃんはきょうもミニスカだ。立派なふくらはぎ!  ピンクのミニスカピッチピチになっているじゃない!!  元気が出てきたわ、ありがとうひとみちゃん。  「さ、今日も楽しい時間を過ごそうね。」  アタシは皆に今日の楽しい時間をお願いした。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!