Barmaid Diary

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5/3 晴れ あれ以来、特に感情が高ぶることもなく過ごせたのでただの勘違いだったなと安心したときに突然やってきた。きっかけは私。反省してる。 今日はとても暇だった。いるのは私と河上さんだけで、他の人たちはお休みだった。ずっと静かだったのがなんとなく気まずくなり、友人である知佳(ちか)にバーテンダーは指パッチンが出来なきゃと言われたことを話題に出したところ、河上さんも出来ないことを知り、お客様が来るまで一緒に練習していた。結局二人とも鳴らなかったけど。 ……ただそれだけのことなのに鼓動が早くなった。いや、だって、可愛かったし。河上さんって背が高くて中性的な顔立ちだからよく男と間違われる。シェイカーを振る姿が凛々しくて見とれる。指パッチンなんて容易く出来るくらい格好いいのに、いざやってみるとパスッという情けない音しか出てこない。……いや可愛すぎない?これがギャップ萌えってやつか。時々可愛らしいところが出てくるから困る。この前なんて重い物持ち上げるときに「よいちょ」って言ったんだよ?なにそれ可愛い。本当に可愛い。そんなところが好きだなーなんて思う。 話がそれたけど、最終的に私と河上さんはある勝負をすることになった。先に指パッチンを鳴らした方が勝ち。下らないけど河上さんからの提案に断るなんてあり得ない。今は練習しながら書いている。 明日もお仕事だけど、河上さんがいないから寂しい。明日、他の先輩に教えてもらって、指パッチン出来るようになろう。そしたら、褒めてもらえるかな。 ……この可愛いはあれだ、猫とか犬に対する可愛いと同じだから。失礼だけど事実だ。河上さんが好きだけど、恋愛対象ではないから。あり得ない。今日はもう寝よう。
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