Barmaid Diary

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Barmaid Diary

4/25 曇り 日記を書くなんて小学生の頃の絵日記以来だ。今まで字を書くのが好きではなかった。けれど、今の自分を知るためには必要だ、と思い今に至る。 まず、私の名前は新垣 奏愛(にいがき そあ)。この奏愛という名前は父方の祖母がつけた名前だ。政略結婚だった祖母は孫の私が誰にも指図されず、自分なりの素敵な愛を見つけ、自分だけの愛の音色を奏でて欲しいという想いでつけたと話してくれた。今思えば祖母はかなりのロマンチストだが、この話を聞いた当時12歳の私はただ純粋に嬉しくて、絶対にいい人見つけて、お婆ちゃんに旦那さんを紹介すると決意した。好きな男の子もいたし、未来の旦那様を想像したりしていた。ここまでなら世間でいう普通の女の子。何もおかしなところはない。 その事を整理した上で、20歳になった今、好きな人は誰と自分に質問する。……真っ先に思い浮かんだのは、河上さん。私の上司で、憧れの人ーーー河上 “朝香“(かわかみ あさか)さん。今リアルでため息出たよ。お婆ちゃんごめんなさい。私の好きな人は、同性で、しかも15歳も歳上の上司みたいだよ。こんなのおかしいとは思ってる。だからこそ、戸惑いを隠せず、今こうしてペンを走らせている。
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