-玄関のシール-

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-玄関のシール-

家を出る時、違和感があった。 アパートの入り口。ドアの脇、給湯器が入っている扉に小さなシールが貼られていた。 目立たないように貼られているが、独特なデザインだ。力士のような顔と、上を指す指が組み合わされている。 どことなく不気味に思った私は、シールを剥がし、隣の住人の玄関の脇に貼り直した。 朝から気味の悪い、と思いながら仕事に出掛ける。 不気味な経験が悪かったのか、その日は出社したものの、どうも調子が悪く昼前に早退した。 一度帰ってから病院に行こう、と帰宅したところ、見覚えのない人物が玄関の並ぶ廊下にいるのに気づいた。 男2人組が、隣の部屋の電気メーターを眺めている。 電気メーターをちらりと見たところ、中の円盤が回っていた。隣の住人は部屋にいるようだ。 私が恐怖を覚えながら自分の部屋に入った時、1人がぼそりと言った。 「この時間はいないはずなんだけどな。」 この頃近所で空き巣の被害が増えているらしいと、その後聞いた。 ◆ シールを貼り替えた家にやってきた、怪しい男…… 近所で増えている空き巣…… あなたには 真実が 見えましたか? (真実は次の章で)
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